外は虫の声だけが鳴り響く
静寂の世界。
八重瀬の静かな夜道を車で走らせると、街灯のない道でもほんのり周りが明るいことに気がつきます。そっと路肩に車を停めて外へ出ると、虫の声だけが鳴り響く静寂の世界。そして、ヘッドライトをつけている時にはわからなかった、大きな月の間接照明。ふと足元を見ると、その光が思いのほかはっきりとした影を作っていました。いつもの見慣れた夜はなんだったんだろう。街の明かりを思い出し辺りを見渡すと、きび畑の向こう側から漏れる橙色の帯。きっとあの辺かな。その方角を確かめようと、うっすらと照らされる八重瀬岳に登りました。