具志頭のフクギ並木
CHAPTER 6

風とともに、フクギは歌う。

Fukugi (common garcinia) trees
sing with the wind.

具志頭のフクギ並木

具志頭のフクギ並木

国道331号線沿いに70本近く120m続くフクギ並木。400年以上もこの地に根づき、かつては屋敷の防風林の役目を果たしていました。フクギは「福の木」。今日も人が集まり、福が集まる場所です。

福が集まる「福の木」と
福を願う「福の石」

さわさわ、さわさわ・・・。そよ風が抜ける時、背を伸ばしたフクギの葉が歌います。緑のカーテンから光の玉がこぼれる八重瀬の午後。400年以上もこの地に根づき、かつては屋敷の防風林だったフクギ並木は、今でもその堂々たる姿を変えることはありません。福が集まる「福の木」。周りに住む人々は親しみを込めてこう呼びます。
まだフクギが個人のものだった頃、根元の石垣の一つに、人の顔に似た石がありました。誰かを見守るかのように佇む石に不思議な力を感じたのか、石の前を通る人々は福を願いこの石を撫でて過ぎたそうです。福を願ういくつもの手で、いつの間にか滑らかな表面となった福の石。今でも残るその石の、どこかおどけたような顔は、何人もの祈りに耳を澄ましてきた事でしょう。

風に揺れるつがいの葉は
今日も行き交う人々の福を歌う

人々は石を撫で、フクギを見上げては、この場所に宿る雄々しさに魅せられてきたのかもしれません。春には白い花を咲かせ、夏の終わりに実を落とす。季節の移り変わりに豊かに情景を変えながらも、頼もしいまでの枝葉は、変わることなく青々と輝きます。人が集まり、福が集まる「福の木通り」。さわさわ、さわさわ・・・、風に揺れるつがいの葉は、今日も行き交う人々の福を歌います。

ACCESS

所在地:〒901-0512 沖縄県島尻郡八重瀬町字具志頭352 (具志頭歴史民俗資料館)

無料 見学自由 駐車場あり

INFO