港川漁港
CHAPTER 3

トンカンという音を生み出す、海人の手仕事。

Uminchu's handiwork
produce a sound of "ton-kan".

港川漁港

港川漁港

針につけた餌と石を使って釣る伝統漁法「石巻落とし漁」が伝わる港川漁港。陽が傾くと、どこからともなく石を削る音が聞こえます。先人の智慧がつまった仕掛け作りの光景に出会えるかもしれません。

海の中を見ることのできない海人は、
一つひとつの石に勘を託す

陽も少しずつ傾き始める昼下がり。どこからともなく、乾いた音が響きます。港川漁港のいたるところに積み上げられたサンゴの石を、海人がひとり黙々と削っていました。昔、宮古から伝わったという石巻落とし漁。仕掛けを巻きつける石の形が漁を左右します。経験と勘が頼りの海人は、餌を落とす深さや潮の流れを見極め、絶妙なバランスに石を整えます。
ひとりで漁に出る海人にとって、ともに船に乗せる石はまさに相棒。糸を巻かれ放たれる石は、狙いどおりの場所に針を導き、そして離れます。海の中を見ることのできない海人は、一つひとつの石に勘を託すのです。その一投はまさに、石との一期一会。たくましく日焼けした手が、そんな一投を担う相棒を丁寧に育てていました。漁に出れば次々と放たれる石たち。きっと海底に積み上げられたいくつもの石が、小魚を集める漁礁と変わり、漁の手助けをしていることでしょう。

その一投は
石との一期一会

その一投はまさに、石との一期一会。たくましく日焼けした手が、そんな一投を担う相棒を丁寧に育てていました。漁に出れば次々と放たれる石たち。きっと海底に積み上げられたいくつもの石が、小魚を集める漁礁と変わり、漁の手助けをしていることでしょう。
気がつくと小腹が空くころ、なじみの鮮魚店で魚天ぷらをつまむひととき。「サンキューねぇ」と、愛嬌たっぷりのおばぁがアツアツを持ってきてくれました。トンカン、トンカン、それは海人と相棒が明日の漁を話し合う、静かな音色。

ACCESS

所在地:〒901-0511 沖縄県島尻郡八重瀬町字港川381-9

無料 見学自由 駐車場あり

INFO