資料館に新たな復元模型が加わりました

資料館に新たな復元模型が加わりました

公開日 2016年07月05日

 

1)港川人復元模型

 

高さ 153センチ

 

 「港川人」は八重瀬町字長毛の採石場(※現在は使用していません)から

1968年から1971年にかけて那覇市在住の大山盛保さんによって発見された

今から約22,000年前の人骨化石です。

 

港川人コーナー 

              (資料館展示室 港川人コーナー)

 

「港川人」と同じ旧石器時代の人骨化石は国内の数カ所から発見されていますが

「港川人」のように、頭から足の先までそろっているのはめずらしく

その古さと保存の良さにおいてとても貴重な資料です

 

平成25年度の具志頭歴史民俗資料館では

これまでの「港川人」研究と新たな研究の成果を加えた

 

「港川人復元模型」を製作しました。

 

模型は「港川1号人骨」の骨格をもとに

当時の40歳くらいの顔つき、体つきを推定して復元しています

 

身長は153センチ

現代人と比べて小柄で上半身はきゃしゃですが下半身はしっかりしています

 

両手に持っているのはモクズガニとウナギです

  

 モクズガニとうなぎ

 

港川人と同じ時代の遺跡と考えられている「サキタリ洞遺跡(南城市)」の

最近の調査からモクズガニやウナギが発見されていることから

港川人も食していたと推察されています。

 

また、港川人はこれまで、縄文人の祖先と考えられてきましたが

近年の研究で、あごの骨はきゃしゃで、縄文人と異なり

オーストラリア・アボリジニなどと特徴が似てることがわかってきました

 

これにより、今回の模型は、アボリジニの目や鼻、髪質などの特徴を取り入れ復元しました。

 

 

港川人頭部 

 

 

 

 


 

 

2)波状文土器模型

 

高さ 約38センチ  口径 約 32センチ

 

 

波状文土器現物

       (崖上地区より出土した波状文土器 現物資料) 

        ※こちらの展示はしておりません

 

1998年~2001年に行った「港川フィッシャー遺跡」の発掘調査で

崖上地区より出土した土器で

イノシシの骨 1点 貝2点と一緒に

ほぼ1個体の土器がつぶれるように発見されました。

 

一緒に発見された貝を科学分析したところ 約8,000年前の数値がでました

 

沖縄で年代のはっきりわかっている土器は

6,000年~7,000年前の土器であるため

それより古い時代の土器と考えられています。

 

今回、発見された土器片のレプリカを作製し

それをつなぎ合わせ原寸大で製作しました。

 

 

 

土器復元模型

(資料館で現在展示されている波状文土器 レプリカ)

 

 

また、これまで県内で似た土器は発見されておらず

口縁部に波のような文様が施されていることから

「波状文土器」と呼んでいます。

 

土器の口縁

     (土器の口縁部 現物資料)

 

 

 


 

【展示場所

 

八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館(沖縄県八重瀬町字具志頭352番地)

 

【お問い合わせ】

TEL:098-835-7500

 

【入館料】

大人 200円 小人 100円(高校生以下)

 

【休館日】

毎週月曜日、慰霊の日(6月23日)、年末年始(12月29日~1月3日)

 

地図

具志頭歴史民俗資料館