-第Ⅰ章
八重瀬町における景観の特性と課題
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①グスク
現在、本町にあるグスク時代の遺跡は43遺跡で、そのほとんどが琉球石灰岩丘陵で確
認されています。遺跡は主に14~15世紀頃のものが中心で、代表的なものとしては、
「八重瀬グスク」、
「多々名グスク」
、「具志頭グスク」、
「勢理グスク」、
「新城グスク」、
「テミグラグスク」等があり、グスクが存在する小高い丘が各地域の緑の森(ムイ)と
してランドマークやシンボルとなっています。
中でも、八重瀬グスクは、汪
おう
英
えい
紫
し
によって築城され「しものよのぬし」と称して隆盛
を極めたと伝えられています。また、多々名グスクについては、13種ほどのおもろが
残っており、中でも『おもろさうし』第19は「ちゑねん、さしき、はなくすくおもろ
御さうし」と題し多々名グスクや城主の「ちゃら(按司の異称)」を讃えるおもろが見
られ、その頃の城主は具志頭周辺を領するほどの勢力があったと伝えられています。
3)歴史・文化的景観
②各集落に点在する拝所
各集落内やその周辺においては、殿、御嶽、井戸等の拝所が多く存在しており、それ
らの場所では古くから地域の年中行事が行われ、地域の人々の精神的な拠り所となり、
信仰文化の中心となっています。
これらは、昔の集落の形態や人々の生活の様子等の歴史を感じさせる重要な景観要素
ともなっています。
【勢理グスク】
【新城グスク】
【金満御嶽】
【屋富祖井】